二之二
我先出則子止、子先出則駕之、今我將出、子可以止乎、其未邪、且子見執政而不違、子齊執政乎、申徒嘉曰、先生之門、固有執政焉如此哉、
我れ先ず出づれば則ち子止まれ、子先ず出ずれば則ち我れ止まらん。今我れ将に出でんとす。子以て止まるべきか、其れ未だしか。且つ子は執政を見て而も違(さ)けず。子、執政に斉(ひと)しきかと。申徒嘉曰わく、先生の門、固より執政あること此くの如くならんや。
「わたしが先に退出するときは、君は席にいてくれたまえ。君が先に出るときは、わたしが残るよ。いまわたしは退出したいのだが、君は残ってくれるかね、それともいやかね。だいたい君は「国の宰相に対して遠慮がないよ。君は宰相と同等だと思っているのか。申徒嘉は答えた、「先生の門下では、宰相のありかたは、もちろんそんなものではないはずだ。