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荘子204
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二之一
何謂眞人、古之眞人不逆寡、不雄威、不■(暮の日が言)士、若然者、過而弗悔、當而不自得也、若然者、登高不慄、入水不濡、入火不熱、是知之能登假於道也若此、

何をか真人と謂う。古えの真人は寡(とぼ)しきにも逆らわず、成(さか)んになるにも雄(ほこ)らず、士(こと)はからず。然の若きものは、過てど悔いず、当たれども自得せざるなり。然の若き者は、高きに登るも慄(おそ)れず、水に入るも濡れず、火に入るも熱からず。是れ知の能く道に登仮するや、此の若し。

それでは、真人というのはどういうものか。むかしの真人は逆境のときでもむりに逆らわず、栄達のときでもかくべつ勇みたたず、万事[をあるがままにまかせて]思慮をめぐらすことがなかった。こうした境地の人は、たとえ過失があってもくよくよと後悔せず、うまくいっても自分でうぬぼれることがない。こうした境地の人は、また高い処へ登ってもびくびくせず、水の中に入っても濡れることがなく、火の中へ入っても熱くはない。これは、その認識が[世俗を超えて]自然の道理にまではるかに登りつめることができたからこそ、そうなのだ。
by mteisi | 2016-03-30 07:45 | 荘子


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