荘子208
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一之七
故聖人之用兵也、亡國而失人心、利澤施乎萬世、不爲愛人、故樂通物、非聖人也、有親、非仁也、時天、非賢也、利害不通、非君子也、

故に聖人の兵を用うるや、国を亡ぼせども人心を失わず、利沢は万世に施せども、人を愛すると為さず。故に物を通ぜんと楽(ねが)うは、聖人に非ず。親しみあるは、仁に非ず。天に時するは、賢に非ず。利害の通ぜざるは、君子に非ず。

そこで、聖人が軍隊を動かすときは、たといその国を滅ぼすことになったばあいっでも、人心がそれによって離れることがなく、万世にも及ぶような恩沢がもたらされたばあいでも、かくべつ人に愛情をかけたといえるものではない。だから、外界の事物を思いどおりしようなどと念願するのは、聖人ではない。意識的な親愛の情があるのは仁の人ではない。自然の流れを時間のくぎりで切ってゆくのは、賢人ではない。利害にとらわれて、それが同じようなものであることに気づかないのは、君子ではない。
by mteisi | 2016-04-03 07:21 | 荘子


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