五之六
此古之所謂縣解也、而不能自解者、物有結之、且夫物不勝天久矣、吾又何悪焉、
此れ古の謂わゆる縣解なり。而も自ら解くこと能わざる者は、物これを結ぶあればなり。且つ夫れ物の天に勝たざるや久し。吾れ又た何ぞ悪まんと。
こういう境地が、むかしの人のいう縣解―すなわち束縛からの解放ということだ。しかもなお自分で解放することができない[で生死のためにくよくよする]というのは、外界の事物がその心の中で固まっているからだ。それに、そもそも外界の事物が自然の道理に勝てないのは、むかしからのことだ。わしは[ただ自然の道理に従うばかり、]またどうしてこの病をいやがったりしようか。」