
一之三
是故駢於明者、亂五色淫文章、青黄黼黻之煌煌、非乎、而離朱是已、多於聡者、亂五聲、淫六律、金石絲竹、黃鍾大呂之聲、非乎、
是の故に明に駢ある者は、五色を乱して文章に淫す。青黃黼黻の煌煌たる、非なるかな。離朱の而きは是れのみ。聡に多なる者は、五声を乱して、六律に淫す。金石糸竹、黃鍾大呂の声は、非なるかな。
こうしたわけで、ものを見ることに敏感すぎるものは、五色の正しい色を乱して、華美な飾りもようのために溺れこむ。[そこから生まれた]青や黄のまじった色、黼黻のようなもどのきわびやかこそ、よくないものだ。離朱のような人物がそれである。ものを聞くことに敏感すぎるものは、五音の正しい音色を乱して、さまざまな快い調子のために溺れこむ。[そこから生まれた]鍾や磬や絃や笛などの楽器、黄鍾や大呂などの旋律こそ、よくないものだ。