一之十八
天下盡殉也、彼其所殉仁義也、則俗謂之君子、其所殉貨財也、則俗謂之小人、其殉一也、則有君子焉、
天下は尽ゝく殉ずるなり。彼れ其の殉ずる所、仁義なれば、則ち俗これを君子と謂い、その殉ずる所、貨財なれば、則ち俗これを小人と謂う。その殉ずるは一なるに、則ち君子あり、
世界じゅうの人々は、すべてその身を犠牲にしている。[そして、]彼らが仁義のために身をささげているのであれば、世間ではそれを君子すなわち紳士だといい、財貨のてめに身をささげているのであれば、世間ではそれを小人すなわちつまらない人物だという。どちらも、その身を犠牲にしていることはひとしいのに、