
一之二十一
屬其性乎五色、雖通如離朱、非吾所謂明也、吾所謂臧、非仁義之謂也、藏於其徳歸已矣、吾所謂臧者、非所謂仁義之謂也、
其の性を五色に属ぐは、通ずること離朱の如しと雖、吾が謂わゆる明には非らざるなり。吾が謂わゆる臧しとは、仁義の謂いに非ざるなり。其の徳を臧しとするのみ。吾が謂わゆる臧しとは、謂わゆる仁義の謂いに非ざるなり。
その自然な生まれつきをいろいろの美しい色彩にしばりつけているものは、たとえ離朱はどに[ものの見分けに]通達しているとしても、それは私のいう目のさといものではない。私のいうすぐれたものとは、仁義のことをさすのではなくて、