
一之二十三
夫不自見而見彼、不自得而得彼者、是得人之得、而不自得其得者也、適人之適、而不自適其適者也、
夫れ自ら見ずして彼れを見、自らえずして彼れを得る者は、是れ人の得を得として、自ら其の得を得とせざる者なり。人の適を適として、自ら其の適を適とせざる者なり。
そもそも自分の内なるものを見ないで外のものを見、自分の内なるものに満足しないで外に満足を求めるものは、これは他人の満足を自分の満足として[他人にふりまわされ]、われとわが身のほんとうの満足を満足としないものである。また他人の楽しみをわが楽しみとして、[他人にふりまわされ]、われとわが身のほんとうの楽しみを楽しみとしないものである。