八
子夏問孝、子曰、色難、有事弟子服其勞、有酒食先生饌、曾是以爲孝乎、
子夏、孝を問う。子の曰わく、色難し。事あれば弟子其の労に服し、酒食あれば先生に饌す。曾ち是れ以て考と為さんや。
子夏が孝のことをおたずねした。先生はいわれた、「顔の表情がむつかしい。仕事があれば若い者が骨を折って働き、酒やごはんがあれば年上の人にすすめる。さてそんな[形のうえの]ことだけで孝といえるかね。」
九
子曰、吾與囘言終日、不違如愚、退而省其私、亦足以發、囘也不愚、
子曰、吾與囘と言うこと終日、違わざること愚なるが如し。退きて其の私を省れば、亦た以て発するに足れり。囘や愚ならず。
先生がいわれた、「回はわたしと一日じゅう話をしても、全く従順で(異説も反対もなく)まるで愚かのようだ。だが引き下がってからのそのくつろいださまを観ると、やはり[わたしの道を]発揮するのに十分だ。回は愚かでない。」