十
子曰、視其所以、觀其所由、察其所安、人焉痩哉、
子の曰わく、其の以す所を視、其の由る所を観、其の安んずる所を察すれば、人焉んぞ痩さんや。
先生がいわれた、「その人のふるまいを見、その人の経歴を観察し、その人の落ちつきどころを調べたなら、[その人がらは、]どんな人でも隠せない。どんな人でも隠せない。」
十一
子曰、温故而知新、可以爲師矣、
子の曰わく、故きを温めて新しきを知る、以て師と爲るべし。
先生がいわれた、「古いことに習熟してさらに新しいこともわきまえてゆくなら、人の師となれる。」
十二
子曰、君子不器、
子の曰わく、君子は器ならず。
先生がいわれた、「君子は器ものではない。[その働きは限定されなくて広く自由である。]」
十三
子貢問君子、子曰、先行其言、而後從之、
子貢、君子を問う。子の曰わく、先ず言を行い、而して後にこれに従う。
子貢が君子のことをおたずねした。先生はいわれた、「まずその言おうとすることを実行してから、あとでものをいうことだ。」