十二
子曰、如有王者、必世而後仁、
子の曰わく、如し王者あるも、必ず世にして後に仁ならん。
先生がいわれた、「もし[天命をうけた]王者がでても。[今の乱世では]きっと一代(三十年)たってからはじめて仁[の世界]になるだろう。
十三
子曰、苟正其身矣、於從政乎何有、不能正其身、如正人何、
子の曰わく、苟くも其の身の正しくせば、政に從うに於いて何か有らん。其の身を正しくすること能わざれば、人を正しくすること如何せん。
先生がいわれた、「もしわが身を正しくさえするなら、政治をするぐらいは何でもない。わが身を正しくすることもできないのでは、人を正すことなどどうなろう。」