廿五之一
陳子禽謂子貢曰、之爲恭也、仲尼豈賢於子乎、子貢曰、君子一言以爲知、一言以爲不知、言不可愼也、夫子子布可及也、猶天子不可階而升也、
陳子禽、子貢に謂いて曰わく、子は恭を為すなり。仲尼、豈に子より賢らんや。子貢が曰わく、君子は一言以て知と為し、一言以て不知と為す。言は慎しまざるべからざるなり。夫子の及ぶべからずや、猶お天の階して升るべからあるがごときなり。
陳子禽が子貢に向かっていった、「あなたは謙遜されているのです。仲尼がどうしてあなたよりすぐれているものですか。」子貢がいった、「君子はただ一言で賢いともされるし、ただ一言で愚かともされる。ことばは慎重でなければならない。先生が及びもつかないことは、ちょうど天がはしごをかけて上れないようなものだ。