2009年 01月 22日 ( 1 )
2009年1月22日
良寛六曲一双屏風

書の面白さを、言葉だけで伝えることが出来るか試してみたい。
それも歴史的な人物の書を紹介しながら進めたいのだが。

初回は良寛「草書六曲一双屏風」。

書人の中では良寛は世間に知られている方なので、ああ、と思われる方も多いだろう。
だがこの書の存在を知っている人は、そう多くはいない。
私の人生で一番感動を受けた書がこれだ。

今から37年くらい前の東京国立博物館でのこと。
都美術での帰りには、いつも博物館に立ち寄っていた。
博物館の入り口付近には漢代の石に刻まれた壁画、画像石と呼ぶが、
大きなみごとな石の壁が並んでおり、その拓本擦れした黒光りする石の彫刻は、
悠久の時の流れを刻み込んであたりを圧倒していた。
各部屋には美術工芸の様々なジャンルの作品達は、
どの一つをとっても時代を背負った存在感を漂わせている。

すごい作品の数に少々疲れ気味で入った一室だったが、
入った瞬間、奥の方に不思議な雰囲気を感じた。近づいてみると良寛の書。
ほとんど読むことが出来ない草書作品だが、その時意味は必要なかった。
書があるだけでよかった。
書でここまで表現できるのか、と思った。
by mteisi | 2009-01-22 22:11 | 歴史的な作家と書