2013年 04月 27日 ( 3 )
懐風藻89
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在常陸贈倭判官留在京
 正三位式部卿藤原宇合

自我弱冠従王事 風塵歳月不曾休 褰帷独坐辺亭夕 懸榻長悲揺落秋
琴瑟之交遠相阻 芝蘭之契接無由 無由何見李将鄭 有別何逢逵与猷
馳心悵望白雲天 寄語徘徊明月前 日下皇都君抱玉 雲端辺国我調絃
清絃入化経三歳 美玉韜光度幾年 知己難逢匪今耳 妄言罕遇従来然
為期不怕風霜触 猶似巌心松柏堅

常陸に在りて倭判官が留まりて京に在るに贈る
 
われ弱冠にして王事に従ひしより 風塵歳月かって休せず 帷を褰げて独り坐す辺亭の夕 榻を懸けて長く悲しむ揺落の秋
琴瑟の交遠く相ひ阻たり 芝蘭の契接するに由なし 由なしなんぞ見ん李と鄭と 別ありなんぞ逢わむ逵と猷と
心を馳せて悵望す白雲の天 語を寄せて徘徊す明月の前 日下の皇都君玉を抱く 雲端の辺国われ絃を調ふ
清絃化に入って三歳を経 美玉光を韜んで幾年をか度る 知己の逢ひ難きこと今のみにあらず 妄言遇ふこと罕なる従来然り
為に期す風霜の触るるを怕れず なほ巌心松柏の堅きに似んことを

わたしは二十の歳より国家の政治に従事し、地方の役人となって休息したことがない。辺国の亭で廉を巻きあげて夕の景をみ、椅子を出して来遊を待つが落葉を悲しむばかり、心のひびきあった友は遠く距たり住み、善き友との接するよすががない。よすががなければ李膺も郭泰も会いえなかった。別れが習い子猷も戴逵もすれ違ったままだった。白雲なびく大空に心を馳せてなげき、君に音信をよせて明月の下にそぞろ歩く。天の下帝都で君は玉を抱いたままで、雲のはたての辺国でわたしは琴をかなでる。清らかな琴の音は教化に入ってもはや三年、君は才能を包んで幾年送るのか。知友に会いがたいのは今日だけのことではない。意気投合の友にめぐりあえないのは昔よりのこと。だからこそ願うのだ。世の厳しさにもくじけずに、厳や松柏、常磐の堅い友情をたもちつづけたいと。
by mteisi | 2013-04-27 08:33 | 懐風藻
古今和歌集1057
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am8:03
澄んだ青い色。

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 よみ人しらず

なげきをばこりのみつみてあしびきの
山のかひなくなりぬべらなり

私はなげきという木ばかり積み重ねて、
山の間(かい)なくなってしまいそうである。
by mteisi | 2013-04-27 08:31 | 古今和歌集
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ゲン・カン へる・はぶく。そこなう

声符は咸。もと咸声であったが、
いまはゲンでよむ。
咸は祝禱の器であるサイの上に、
戉(鉞まさかり)を加えて、
その祝禱を緘封し祝禱の機能を、
守ことを示す字であるから、
減はたとえばそれに水を加えて、
その機能を減殺行為を示す字であろう。
水に聖器に加えることは、
しばしばその聖器をけがすために行われた。
by mteisi | 2013-04-27 08:22 | 語源で遊ぶ