
題延平劍潭
歐陽詹
想像精霊欲見難 通津一去水漫漫 空餘千載凌霜色 長輿澄潭白日寒
延平の劍潭に題す
歐陽詹
精霊を想像そて見んと欲すれど難し 通津一たび去って水漫漫 空しく千載霜を凌ぐ色を餘して 長へに澄潭と輿に白日寒し
龍に化したという寶劍の靈を想像するが、今それを見たいと思っても、それはできそうもない。この渡し場からひとたび去って姿をかくして、あとには水がひろびろとたたえているだけ。ただむなしく千年の後までも寶劍の霜より冴えた刃の色だけは澄みきった淵の水に残っていて、白昼の日に映じて、ぞっと寒気がするほどものすごい。