
一之十二
故其好之也一、其弗好之也一、其一也一、其不一也、其一與天爲從、其不一與人爲從、天與人不相勝也、是之謂真人、
故に其のこれを好むや一、其のこれを好まざるや一、其の一なるや一、其の一ならざるや一。其の一なるは天と徒たち、其の一ならざるは人と徒たり。天と人と相い勝たざる、是れを真人と謂う。
そこで[真人の立場では]、その好むことも好まないことも同一で区別はない。その同一とするのはもちろん同一の立場であるが、その同一でないと区別するのも実は同じ立場である。その同一とするのは[絶対的な]自然の仲間であるが、その同一でないとするのは[差別的な]人間の仲間である。自然の立場と人間の立場とがせめぎあわない[で調和している]、それが真人といわれるものである。