打延而 思之小野者 不遠 其里人之 標結等 聞手師日從 立良久乃 田付毛不知 居久乃 於久鴨不知 親之 己之家尚乎 草枕 客宿之如久 思空 不安物乎 嗟空 過之不得物乎 天雲之 行々莫々 蘆垣乃 思乱而 乱麻乃 司乎無登 吾戀流 千重乃一重母 人不令知 本名也戀牟 氣之緒尒爲而
うち延へて 思ひし小野は 遠からぬ 其の里人の 標結ふと 聞きてし日より 立てらくの たづきも知らぬに 親にし わが家すらを 草枕 旅寝の如く 思ふそら 苦しきものを 歎くそら 過し得ぬものを 天雲の ゆくらゆくらに 葦垣の 思ひ亂れて 亂れ麻の 司を無みと 吾が戀ふる 千重の一重も 人知れず もとなや戀ひむ 氣の緒にして