古今和歌集173
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秋風の 吹きにし日より 久方の
あまのかはらに たたぬ日はなし

秋風が吹きはじめた日から、
天の川の河原に立って彦星を待たない日はない。
# by mteisi | 2010-11-22 07:26 | 古今和歌集
古今和歌集172
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ふのふこそ さなへとりしか いつのまに
いなばそよぎて 秋風の吹く

ほんのきのう早苗を取って植えたばかりであるのに、
いったいいつのまに秋になって、
稲葉がそよいで秋風が吹くのであろうか。
# by mteisi | 2010-11-21 07:33 | 古今和歌集
古今和歌集171
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題しらず
   よみ人しらず

わがせこが 衣のすそを 吹き返し
うらめずらしき 秋のはつ風

(わたしの夫の着物の裾を風が吹き返し裏を見せるが)
まことにうら珍しい秋の初風が吹きはじめたことよ。
# by mteisi | 2010-11-20 07:25 | 古今和歌集
古今和歌集170
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秋立つ日うへのをのこども、かものかはらに
かわせうえうしけるともにまかりてよめる
   つらゆき

河風の すずしくもあるか うちよする
浪とともにや 秋は立つらむ

立秋の日に殿上人たちが、賀茂川の河原で散策したときに、
お供をして行って詠んだ歌。

さても河風の涼しいことよ。今日は立秋であるが、
波といっしょに秋は立っているのであろうか。
# by mteisi | 2010-11-19 07:28 | 古今和歌集
古今和歌集169
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秋立つ日よめる
   藤原敏行朝臣 (ふじわらとしゆきのあそん)

あききぬと めにはさやかに 見えねども
風のおとにぞ おどろかれぬる

立秋の日によんだ歌。

目前の景色を見ているだけでは、
秋が来たとはっきりわからないけれども、
吹く風の音を聞くと、
さすがに秋であると感じられることであるよ。
# by mteisi | 2010-11-18 07:29 | 古今和歌集
古今和歌集168
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みな月のつごもりのひよめる
  
夏と秋と 行きかふそらの かよひぢは
かたへすずしき 風やふくらむ

六月の晦日によんだ歌。

去る夏と、来る秋とがすれちがう空の通路では、
片方は来る秋で涼しい風が吹いていることであろうか。
# by mteisi | 2010-11-16 07:33 | 古今和歌集
古今和歌集167
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となりよりとこなつの花をこひにおこせたりければ、
をしみてこのうたをよみてつかはしける
   みつね

ちりをだに すゑじとぞ思ふ さきしより
いもとわがぬる とこ夏のはな

隣家からとこなつの花をもらいたいと使いをよこしたので、
惜しんでこの歌だけよんで与えた歌。

ほんのちょっとした塵をさえもつけまいと大切に思っているのである。
咲き始めてよりこのかた、とこなつの花は。
# by mteisi | 2010-11-15 07:28 | 古今和歌集
古今和歌集166
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月のおもしろかりける夜あかつきがたによめる
   深養父

夏の夜は まだよひながら あけぬるを
雲のいづこに 月やどるらむ

月影の美しかった夜の明け方によんだ歌。

夏の夜はまことに短く、まだ宵であると思っているうちに、
もう夜が明けてしまった。
これでは西の空に沈む間もあるまいが、
雲のどのあたりに月は宿っていることであろうか。
# by mteisi | 2010-11-14 07:50 | 古今和歌集
古今和歌集165
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はちすのつゆを見てよめる
   僧正へんぜう

はちすはの にごりにしまぬ 心もて
なにかはつゆを 玉とあざむく

蓮の葉ににおく露を見てよんだ歌。

蓮の葉が泥の中から生い出ながら、
少しも濁りに染まらないような清い心を持っていながら、
どうしてその葉の上におく露を、
玉のように見せかけてあざむくのであろうか。
# by mteisi | 2010-11-13 07:29 | 古今和歌集
古今和歌集164
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郭公のなきけるをききてよめる
   みつね

郭公 我とはなしに 卯の花の
うき世の中に なきわたるらむ

ほととぎすの鳴いていたのを聞いてよんだ歌。

ほととぎすが自分自身をも忘れてしまったかのように、
いやなこの世の中で鳴き渡っているようである。
# by mteisi | 2010-11-12 07:32 | 古今和歌集