古今和歌集60
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寛平の御時ききさいの宮の歌合のうた
   とものり

み吉野の 山べにさける さくら花
雪かとのみぞ あやまたれける

吉野山のほとりに咲いているあの桜の花は、
雪ではないかとばかり、つい見まちがえられたことであるよ。
# by mteisi | 2010-06-23 23:47 | 古今和歌集
古今和歌集59
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「歌たてまつれ」とおほせられし時によみたてまつれる

桜花 さきにけらしな あしびきの
山のかひより 見ゆる白雲

天皇が「歌を奉れ」とおほせられた時によんで奉った歌。

桜の花が咲いたらしいよ、山あいから白雲が見えるが、
あれはまさに桜の花であろう。

仮名だけでなく漢字も混ぜてみた。
よは誤字。「かひ」を「かよひ」と思ってしまった。
# by mteisi | 2010-06-22 18:10 | 古今和歌集
古今和歌集58
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をれるさくらを読める
   つらゆき

たれしかも とめておりつる 春霞
たちかくすらむ 山のさくらを

折とってある桜の花をよんだ歌。

だれがまあ、尋ねもとめて行って、折り取ったのであろうか。
春霞が一面立ちこめて隠していたであろう山の桜の花をば。
# by mteisi | 2010-06-21 11:50 | 古今和歌集
古今和歌集57
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さくらの花のもとにて年のおいぬことをなげきてよめる
   きのとものり

いろもかも おねじむかしに さくらめど
年ふる人ぞ あらたまりける

美しい桜の花のもとで年とったことを歎いたよんだ歌。

桜の花は色も香も昔と同じように咲いているであろうが、
年とった人はいつした姿が変わったことであるよ
# by mteisi | 2010-06-20 23:51 | 古今和歌集
古今和歌集56
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花ざかりに京を見やりてよめる

みわたせば 柳桜を こきまぜて
宮こぞ春の 錦なりける

桜の花ざかりに京をながめ渡してよんだ歌

はるか都の方をながめわたすと、柳の緑と、桜の紅とをまぜあわわせて、
都こそ春の錦であることよ。
# by mteisi | 2010-06-19 18:53 | 古今和歌集
古今和歌集55
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山のさくらを見てよめる
   そせい法し

見てのみや 人にかたらむ さくら花
てごとにおりて いへづとにせむ

ただ見ただけで人につたえることができようか、
この桜の花を手に折とって、帰りのおみやげにしよう。
# by mteisi | 2010-06-18 19:57 | 古今和歌集
古今和歌集54
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題しらず
   よみ人しらず

いしばしる たきなくもがな 桜花
たおりてもこむ 見ぬ人のため

ほとばしり流れる急流がなければよいのにな。
あの川向こうの桜の花を折り取って来ようものを。
この美しい桜を見ない人のために。
# by mteisi | 2010-06-17 19:44 | 古今和歌集
古今和歌集53
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なぎさの院にてさくらを見てよめる
   在原業平朝臣 (ありはらのなりひらあそん)

世の中に たえてさくらの なかりせば
春の心は のどけからまし

惟喬(これたか)親王の渚の院で桜花を見てよんだ歌。

この世にまったく桜の花がなかったならば、あわただしく
散ることもなく、春はさぞかしのどかであったろう。
# by mteisi | 2010-06-16 23:43 | 古今和歌集
古今和歌集52
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そめどののきさきのおまへに、花がめにさくらの花をささせ給える見てよめる。
   さきのおおきおほいまうちぎみ

年ふれば よはいはおいぬ しかはあれど
花おし見れば もの思ひもなし

染殿の后の御前に花瓶に桜の花を挿させなされてあったのを見てよんだ歌。

年月がたつので、私は年とってしまった。
そうではあるが、こうして美しい花を見ていると、何の心配もない。

自分の娘が皇后となり、その栄えている姿を見て
満足感に浸っている父大臣の心情。
作者は藤原良房、摂政・太政大臣。忠仁公。
# by mteisi | 2010-06-15 17:54 | 古今和歌集
古今和歌集51
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やまざくら わが見にくれば 春霞
峰にもをにも たちかくしつつ

やまざくらをわざわざ見に来たところ、春霞が峰から麓まで
一面に立ちこめて、見せないようにかくしていることよ。
# by mteisi | 2010-06-14 15:19 | 古今和歌集